ご相談事例: 株式評価
株式評価
“後継者不在のため会社の売却を考えています。当社の評価額はいくらぐらいですか?”
会社を売却する際は通常、株式の譲渡をもって実行しますが、株式の評価方法には「税務上の評価」と「企業価値としての評価」の二通りがあります。
上図では、同じ会社の株価が「税務上の株価」は 200円、「企業価値としての株価」は 300円と、株式の評価額が異なることを示しています。この異なる二つの評価について、下表で比較してみましょう。
評価方法 | 評価目的 | 使用されるケース | 評価根拠 | 具体的計算方法 |
---|---|---|---|---|
A. 税務上の評価 | 課税 | 贈与、相続、同族者間の売買など | 国税庁が定める評価方法 | 財産評価基本通達 |
B. 企業価値としての評価 | 取引、裁判 | M&A、第三者間の売買など | 理論、実務の中で培われた評価方法 | 企業価値評価ガイドライン |
例示:
会社を同族の後継者へ譲る場合 | 「A. 税務上の評価」が基準 | |
第三者へ会社の株式を譲渡し経営を譲る場合(M&A) | 「B. 企業価値としての評価」が基準 |
従って、今回の質問の場合は同族の後継者がいないため、「B. 企業価値としての評価」による株式価格が基準となります。
「B. 企業価値としての評価」の具体的な評価方法としては、インカム・アプローチ(収益還元法)、マーケット・アプローチ(類似業種比準法)、ネットアセット・アプローチ(純資産法)があります。また、それぞれのアプローチには各種の方法があり、評価会社の状況、評価目的、売り手と買い手の立場等を考慮の上、評価方法を決定します。
当事務所では、非上場会社の株式評価に関して数多くの実績がありますので、お気軽にご相談ください。なお、当事務所の無料相談もご利用になれます。